タイトルオリジナル作品を一通りプレイさせていただきました。
記事No:424
投稿日:10/09/10(Fri) 11:32
名前:his
はじめまして。
先日このサイトを知り、一通りオリジナルゲームをプレイさせていただいたので、感想をお伝えしようと思い、書き込ませていただきます。
感想の順番は、おおむね読んだ順と同じです。


『幽霊相談室』
初>エ04>エ03>エ02>解黄>エ01>エ完01,03,04,02
最初からかなりサイケデリックな展開だという印象を受けましたが、物語に欠かせない部分でもあるのでなかなか良いと思いました。
プレイログによると、一応の解明までは30分ほどなので、丁寧に読み進めば十分解決できる、良い難易度だと思います。
本当は黄色いモノ無しで、エンディング1まで行きたかったと思いますが、そもそも黄色いモノがどんなものなのか、という好奇心の方が強く、結局使ってしまいました。使う前からある程度想像してたのに、というのは負け惜しみですね。


『変調・幽霊相談室』
初>ア01>ア03>ア04>エ03>ア05>ア07>ア06>エ04>エ02>ア08>ア02>エ05>ア09>エ01>ア10>ア11>ア12>エ01消>ア13>ア完00,06,02,05,01>エ01>エ完01,06,02,05,01
少なくとも日を改めて〜、とありましたが、続けてやってしまいました。やってみて、確かに趣向が大いに違うとは思いましたが、個人的には続けてやっても楽しむ事が出来ました。
メタフィクションというか、小説内小説というか、そういう部分を上手く使っていると感じました。アウターストーリーを読まないと真相にはたどり着けないのも良いです。
ただ、個人的に結末がちょっと気にならなくもない、といった感じでしょうか。加害者に、ある意味天誅は下っているのかもしれませんが、それでも人の人生の少なくない部分を奪っているんですし。加害者が普通に生活を送っているというのはやはり複雑な感情を持ってしまいます。
ちなみに、この作品から推理が必要そうなものをプレイする時、メモを取りつつ進めるようになりました。


『夏、セミ、少女』
○>物○>○園>天国>○○館>○港>正解>○○○○畑
ReadMeからある意味ゲームの一部、というのはあまり無いのではないかと思いました。少なくとも、このゲームのような形では。
そういうわけで、初回は大きくだまされました。漫然と進めていたら、真実になどたどり着かない、という事でしょう。少なくとも、自分のようなカンも読みも鋭くない人間には。
道しるべの方は、3まで読んで、これ以上読むと相当核心に迫るんだろう、と思い正解ルートを見るまではあえて見ずにプレイしました。
それでクリアできたので充実感はあります。が、天国というのは我ながらひどいとも思います。


『Reason of Detective』
バッド1>バッド2>バッド3>グッド1>グッド2(多分、ですが)
素直に読んでいけば、解ける親切なシナリオだと思います。と言いつつ、自分ははじめ被害者が自分の傷害事件かと思って色々想像していましたが。それは自分が素直ではないだけですね。
場面の設定が秀逸で、こういう超短編のシリーズ物もあったら面白そうです。作るのは大変そうですが。


『テオとセァラ』
これは、プレイした後「完全にやられた」と思いました。すばらしいアイディアです。スーパーファミコンの『かまいたちの夜』の「チュンソフ党の陰謀」を思い出しました。方向性は全然違うのですが、ゲームで味わった驚きの種類としては似ていると思います。……『かまいたちの夜』のその部分をご存知で無いと全く伝わらないと思いますが、要は盲点を突かれた驚きを味わった、と思っていただければ良いかと思います。
アレをアレしたらアレになるのは確認したのですが、それは無粋というものですし、見なかったことにしました。


『deep-sea fishes in gloom』
初>エ03>可セ>可選>解セ>解選>エ04>可戻>エ02>可黄>エ01
>エ完01,01,01,01>解戻>解黄
これは、場慣れというか、推理慣れしていると、最初の例の場面で注意信号を受け取るのではないかと思います。そして、現場検証でそれは確信になりそうでもあります。と、偉そうな事を言いつつ最初の2回は推理失敗しているんですけどね。
それから、真相を解明した時と、解明できなかった時の九美さんと智形さんの握手のシーンの黄色いモノの違いも、些細な事ですが作りこみを感じます。
犯人はもうちょっと穏当なやり方はあったんじゃないか、とも思いますが、犯人の性格からしたら、そういうこともやりそうというか、そういう風にしか出来なさそうとも思えました。


『かげろうは涼風にゆれて』
初>封初>解憶>エ01>解初>解セ>解戻>エ02>解運>エ05>エ04>エ03
>エ完03,03,01,01,01
ゲームの部分は、プレイヤーの知識と、主人公の記憶のギャップを上手く埋めていく部分が主で、どうやって記憶を積み重ねさせていくかが面白く感じました。
自分は、「実験」のルール自体を理解するのに3週ほどかかりましたが、何が鍵になって記憶が残るのかがわかったら、後はどう行動すればどうなるかメモをとりつつ試行錯誤すればエンディング5を見ることが出来て程よく親切だと思います。
ホラー要素は薄い、という事ですが、個人的には生半可なホラー小説やホラー映画よりもよっぽど恐ろしかったです。ホラーの怖さとは違うかもしれませんが。
それを生み出す事はまだしも、消耗品のように扱い、あまつさえ○○処分するというのは吐き気を催す程でした。大げさだと思われるかもしれませんが、例の場面で何をやっているかわかっていなかった時もなんとなく不気味に感じ、何をやっているか完全に把握した後は、できるだけ早く進めようと画面から目をそらしつつ、クリックをしていました。
ともあれ、こういう強烈な感情を与えられたという事は、よく出来ている作品であるとも言えるのかもしれません。
いい機会ですし、浅学なもので今まで読んだことのなかったラヴクラフトの作品も読んでみようと思います。


三文字事件シリーズと『月屋形事件』
初⇒挿08⇒挿09⇒挿10⇒挿11⇒エ03⇒挿01⇒挿02⇒挿12⇒エ02⇒エ01⇒エ05⇒挿03⇒挿05⇒挿06⇒挿07⇒エ08⇒挿04⇒エ09⇒挿13⇒エ04⇒エ06⇒挿14⇒エ07
⇒ベエ05,03,05,01,04,01,01,01,01
⇒エ完05,03,05,01,04,01,01,01,01⇒挿15
まず青空文庫の作品をゲームライズド・ノベルのように仕上げるという発想が無かったので、その時点で驚きました。こういう作品に出会うのは初めてでしたので、目からうろこが落ちました。もしかしたら他にやっておられる方もおられるのかも知れませんが、自分は初めて出会ったので。
『お初桜事件』と『贋紙幣事件』は、古い作品ですがゲームライズドされているということもあり、読みやすい古きよき少年探偵活劇ですね。

『月屋形事件』の方は、タブメモ帳を用意して、人物タブ、事件タブ、その他タブ、メモタブと書き分けて、それが役に立つという、良質な推理ノベルゲームだと思います。ここまでメモをとるのが楽しく、役に立ったのはPS2の『雨格子の館』以来かもしれません。(ちなみに『雨格子の館』というのは推理アドベンチャーゲームです)
エンド3までは楽に進められましたが、○○になりきるのが難しかったです。入室時の自由入力が難題でしたね。最初は字面か? と思って月○か? などと思いましたし。
後は、犯人と○○(動機に重大な関係がある人物)を同一人物だと思ってしまったのも問題ですね。それを想像するだけなら良いんですが、そのまま真相解明エンドまで行ってしまったのが、すごくもったいないことをしてしまったと思います。
一応言い訳としては、挿話3を読み犯人はトランスウーマンではないか、それなら必要資金ということで、動機も説明できる。という、冷静に考えれば穴が思いっきりある推理に基づいて進んでしまったのです。あと、寝不足で回っていないのに一気にプレイしてしまった自分も悪いと思います。
htmlのヒントを見ずに完全クリアできた事は嬉しいですが、出来ればプレイした記憶を無くして、もう一度プレイしたいですね。
本筋とは全然関係ないのですが、某入力箇所で○と入力すると、「いい名前だとは思うけど〜」と表示されるのは、なかなか素敵だと思います。
それから、挿話3の問題は自分は今、国語辞典という粋なものを持っていないので、wikipediaで色々調べました。便利ですが、やっぱり趣は違いますね。この解答は時代が違えば言葉の意味するところも変わってくる、という事で良いんですよね。いえ、この点については反応は不要です。


『わたしには聞こえる』
初>エ04>エ03>エ08>エ07>エ06>エ05>エ01>エ02>エ完01,01,03,02,02,01,01,02
『月屋形事件』と同じ、中編という事でかなり身構えていましたが、意外とあっさり解けてしまった、という感じでしょうか。ゲーム内外にかなりヒントがあった印象です。
自分で調べる、という行動を必要とするゲームはあまり無いので、面白い体験でした。
やまひこさまの正体についても、順に進めていけば自然とわかるので、良い難易度だったと思います。難関といわれているエンド2も、あの自由入力の欄でカ(略)と入力すると考え方のヒントが出てくるので、そういう面でも良い難易度でしょう。
昔の事件の動機などが不明瞭なのが気になるといえば気になります。ですが、全体としては、うまく作られたゲームだと思いました。


『中夜の考察』
2>3>1
真相に気付いた時には「散々メモとって、じっくり読んでこの結論かよ!」ととても楽しい気分になりました。脱力させられたのはこっちの方だよ! とも思いました。
事件の解決の方は、最初告発の仕方がわかりませんでした。タイトルか? とも思ったものの、ゲーム内に何のヒントも無しにそういうことはしないだろうと思ったので、とりあえず最初から読み直してみました。するとあっさり見つかりました。意識して読むのと指針無く読むのではかくも違うのかと思ったくらいです。黄色いものも使わずクリアできたので、個人的な満足感もあります。
珍推理としては自分が沢子ではないかとか、性別にも疑問が残らなくは無いとかいう考えもちょっとありました。

シナリオの鉄人の他の方達の作品も一通りプレイしましたが、全般的なプレイしやすさと、個人的な好みでは一番の作品です。
(別の意味で面白い作品もいくつかありましたがそれはまた別の話)

余談ですが、犯人はお前だ、は推理物好きなら誰しも言ってみたいセリフだと思います。


全体を通しての感想としては、ゲームの面白さはもちろんですが、プレイのしやすさが、非常に高水準だと思います。情報サポートや、プレイログなど、無くてもゲーム自体は成立しますが、あることによって完成度が大きく上がっていると思います。
それから、こんなにゲーム関係でメモを取ったのは久しぶりです。総容量15.7KB。
多いのか少ないのか微妙なラインですが、こうして文字として残しておくと、プレイログなどと合わせてどんな考え方をしていたかという事が思い出されて、何度も楽しめて楽しさが長続きしてさらに良いです。


本当に長くなってしまいましたが、これ以上上手く削れるとも思えないのでこのまま書き込ませていただきます。
ネタバレに関しては注意したつもりですが、問題があるようならお手数ですが対応願います。

楽しい時間を本当にありがとうございました。
今後のご活躍も期待しています。それでは、長々と失礼しました。

タイトルRe: オリジナル作品を一通りプレイさせていただきました。
記事No:425
投稿日:10/09/11(Sat) 23:21
名前:KaTana
拙作をプレイしていただきありがとうございます。

また、各作品への感想ありがとうございます。
この掲示板はこんなに長く書けたのかと、びっくりしました。

プレイログを拝見しましたが、deepや中夜を黄色なしでクリアされている点や、『かまいたちの夜』を引き合いに出されるところを見ると、この手のゲームに慣れている方のようですね。

単にあっさり解いてしまうだけでなく、メモを取ってプレイされたり、妙な入力を試している辺り、楽しみ方もご存知のようで、丁寧に遊んでいただいて嬉しい限りです。

『変調・幽霊相談室』ですが、これは確かに、人によっては後味が悪い作りになっていると思います。
日を改めてプレイしてほしい旨の警告は、このために行っているものです。

ただこれは、誰に頼まれたわけでもないのに好き勝手にゲームを作って公開してるような人種は、チンピラのような内面を持っているほうがリアリティあるという考えによるものです。

普段はそういう考えは表に出さないようにしてるわけですが、うっかり漏れてしまったのがあれなわけでして。

イベント公開後にそのままお蔵入りにすることも考えたのですが、誰かに聞かれたときに「そのうちフリーソフトとして公開する」と言ってしまい今に至るわけです。

いや、本当にメタフィクションは(作る側にとって)あやういものですね。

それから、著作権の消滅した小説をノベルゲーム化されている方はけっこういたはずです。
まとめてる所があったのでURLを貼っておきます。
http://16thmoon.cute.bz/blog/index.php?e=465

それでは、感想ありがとうございました。

タイトルRe^2: オリジナル作品を一通りプレイさせていただきました。
記事No:426
投稿日:10/09/19(Sun) 06:57
名前:his
なるほど。確かに褒められないような一面を持っているほうが、ある意味現実的なのかもしれませんね。
思うところはあるものの、『変調・幽霊相談室』を楽しめたのは事実なので、ネット上で公開されている事は良い事だと思います。

それから、ノベルゲーム化されている著作権切れの作品がまとめられているサイトまで教えていただき、ありがとうございます。
さっそく他の方の作品も読んでみようと思います。